【高校教師から高校生へ】高校の定期テストの勉強法【全教科共通編】

こんにちは。福田泰裕です。

高校での定期テストで思うように点が取れないという悩みを抱えている高校生は多いと思います。
また、「あんなに勉強したのに、全然できなかった…」という高校生も多いでしょう。
今回は、高校の定期テストで点を取るための勉強法を、高校教師の立場から解説していきます。
最後まで読んで、ぜひ実践してみてください。

目次

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教師の立場から見る「定期テスト」とは

まず、教師がテストを作る際に何を考えて問題を選んでいるのかを知ることが大切です。
戦に行くとき、敵の情報を知っているのと知っていないのとでは結果に大きな差が出てしまいます。
教師は敵ではありませんが、作問者の意図を考えることはとても重要です。

定期テストの目的は『授業の理解度を計るため』

まず、なぜ定期テストを行うのでしょうか?
それは、『授業の理解度を計るため』です。
つまり、『高い点数を取る = 授業を理解している』ということです。
教師側からすれば『授業を理解している人が高得点を取れて、理解できていない人が点を取ることができないテストを作る』ことが大切なのです。

平均点は55~65点を目指している

全員が95点以上だったり、全員が5点以下だったりすると成績が付けられません。
成績を付けるためには、平均点が55点~65点くらいに収めるのが理想です。
そのため、全員が〇になるような問題や、全員が×になるような問題は不適切です。
『ちゃんと勉強してきた人が〇になり、勉強して来なかった人が×になる問題』を選んでテストに出題しています。

テストの問題の難易度は3段階

  • 全員が〇になるような問題や、全員が×になるような問題は不適切
  • ちゃんと勉強してきた人が〇になり、勉強して来なかった人が×になる問題が良い

と言いましたが、すべての問題をこのようにすると”ある問題”が出てきます。
高校の授業ともなると、どれだけ勉強しても本当に理解できないという人もいます。
私たち教師はそのような『真面目に努力するけど勉強が苦手な人』を見捨てることはできません。

そのため、「この教科が苦手でも、ちゃんと勉強して来ればこの問題なら正解できるだろう」という難易度の問題を必ず出題します。
難しい単元の場合、教科書や問題集の問題をそのまま出題することもあります。
これを今後「EASY問題」と呼びます。

この「EASY問題」は、テストの約20%~30%だと思ってください。

次に、定期テストで満点が出ることは、教師にとってあまり良いことではありません。
なぜなら、100点以上の人の能力を計れていないからです。
例えば10人が満点を取ってしまった場合、その10人は同じ成績となります。
しかし実際は10人が同じ能力であるはずがないので、差が付いていないこのテストは不適切なのです。
授業の理解度を計ることが目的なので、テストでしっかりと差をつけるべきなのです。
そのため、テストには「100点を防止するための難しい問題」が必要です。
授業では触れなかった教科書の章末問題や、問題集のアスタリスク「*」がついているような問題です。
この問題を今後「HARD問題」と呼びます。

この「HARD問題」は、対策するのが容易ではありません。
得意科目なら問題集の隅々まで解けば良いですが、苦手科目だと大変な作業です。
さらに、時間をかけてもなかなか正解がもらえないのも特徴です。
100点を狙えるような得意科目でない限り、この「HARD問題」に時間をかけすぎるのはやめましょう。

最後に、最も差がつくのが「EASY問題」と「HARD問題」の間に位置する「NORMAL問題」です。
授業で扱った内容を理解して、ある程度の応用力を見る問題です。
この「NORMAL問題」の割合は残りの50~60%ほど。
成績中位層はこの「NORMAL問題」に時間をかけ、いかに得点できるかが鍵となります。

「NORMAL問題」の見つけ方

定期テストでは、およそ半分がこの「NORMAL問題」で構成されています。
では、どのようにして教師が「NORMAL問題」を考えていると思いますか?

定期テストの問題は日々の授業から出題される

私たち教師は、日々の授業で生徒たちの反応を見ながら「この問題は簡単すぎたかなあ」とか「この問題は難しかったかな」などと考えながら授業をしています。
そして、「この問題は半分くらいの生徒が理解できたかな」という問題があったとき、「ちょうど良い難易度の問題だ!」だと感じます。

授業を受ける際に、教室にいるクラスメイトたちを見てみましょう。
「半分くらいの生徒が分かっている問題」が「NORMAL問題」となるのです。
「これはNORMAL問題だ!」と感じたら、問題集にチェックを入れておきましょう。

教師が「ここはテストに出します」と言う理由

私たち教師は鬼ではありません。

頑張った生徒たちには、その努力が報われてほしいと願って授業しています。
しかし、その努力が報われるためには入試を突破しなくてはなりません。
「学校は楽しかったけど大学はすべて落ちました」となっては、幸せな高校生活とは言えません。
簡単な問題ばかり扱っていては、入試に落ちて悲惨な目に遭ってしまうのです。
そのため、理解度が低くてもテストに出題しなくてはならない場合もあります。
そういうとき教師は「ここは難しいけど、大事だからテストに出します」と言うのです。
この「テストに出します」発言は、「難しいけどしっかり勉強して来てね!」というメッセージだと思ってください。

この「テストに出します」を聞いたときは問題集に大きく印をつけて、テスト前に必ず復習しましょう。

「EASY問題」「NORMAL問題」「HARD問題」の印を日頃から付けておく

ここが一番重要です。

授業や宿題で行う問題演習の際に、その問題が「EASY問題」「NORMAL問題」「HARD問題」のうち、どの難易度なのかをチェックするようにしておくと時間短縮になります。

演習の際に「これは公式に当てはめるだけの問題だから簡単だな」と思えば「E」の印を、
「これはちょっとひねってあって、工夫しないと解けないな」と思えば「N」の印を、
「これは難しくてきっと誰もできないな」と思えば「H」の印を付けておく
のです。

するとテスト週間が始まったとき、効率的に学習を進めることができます。

テスト前に効率よく復習するために

こうして日々の授業でテストに出そうな問題に印をつけておけば、あとはテスト週間に復習するだけです。では、テスト週間に効率よく復習するためにはどのように学習を進めれば良いでしょうか。

超基本事項はテスト週間が始まるまでに終えておく

テスト週間は部活動の練習も休みになり、勉強に本腰が入ると思います。
しかし、たった1週間で全教科の学習を1から始めていては到底間に合いません。
数学なら公式を覚えたり、化学なら分子式を覚えたりといった『ただ覚えるだけ』の事項はテスト週間までの空き時間などに終えておきましょう。

テスト週間は問題演習を繰り返す

記憶にはインプットとアウトプットの2種類があり、別物だと思ってください。
そして定期テストに必要なのはもちろんアウトプットです。
先ほどのように、テスト週間に公式を覚えたり分子式を覚えたりというインプットばかりに時間を取られていては、アウトプットを練習する時間がありません。
テスト本番で問題を前にして、「ああ、覚えたはずなのに思い出せない…」という事態に陥ります。
このような事にならないためにも、テスト週間はアウトプットに時間を割くべきなのです。

覚えるべき事柄はテスト週間の前にすべて覚えておき、テスト週間はチェックの付いた問題を解いてアウトプットの練習をしましょう。

問題の取捨選択を

「テスト範囲は〇〇ページから〇〇ページまで!」と発表があり、問題演習に取り掛かると思います。
そこで、愚直に1問目からすべての問題に取り掛かっても良いのですが、これもはっきり言うと時間の無駄です。
なぜなら、分かっている問題を解き直す必要はなく、難しすぎる問題を理解する必要もないからです。
先ほど述べたように、日ごろから「E」「N」「H」の印を付けておけば、どの問題に優先的に取り組むべきか分かります。

「E」は見て頭の中で解ければOK。
「N」は実際にノートに書いてみて、理解できればOK。できなければ解き直す。
「H」は飛ばしておいて、もし時間に余裕があるなら取り掛かる。

というようにしておけば、とても効率的に時間を使うことができます。

もし普段から印を付けていないと、まず「E」「N」「H」のどの難易度かを見分ける作業が必要になります。
この作業は得点には結びつかないので、かなり無駄な時間です。

だからこそ、この印を付ける作業を日頃から行っておきましょう。

そして案外、真面目な性格の人はこれができない人が多いです!
「すべての問題を覚えなくちゃ…」という思考に陥ると、難しい問題に多くの時間を割き、十分な演習ができないままテストを迎えることになりかねません。

「この問題は飛ばす!最後に余裕があれば戻ってこよう!」と問題を取捨選択して演習を行うことも、与えられた時間を有効に使うための大切な手段なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は高校の定期テストの勉強法【全教科共通編】を解説しました。
この記事をまとめると、以下のようになります。

  • 定期テストは授業の理解度を計るために行う。
  • 難易度は「EASY問題」「NORMAL問題」「HARD問題」の3種類。
  • 日々の授業や演習の際に「E」「N」「H」の印を付けておく。
  • テスト週間までに『覚えるだけのこと』は終えておく。
  • 問題演習は「N」から始める。
  • 「E」は頭の中で解く。「H」は時間に余裕があれば取り掛かる。

このことを実践して、定期テストで目標とする点を取れることを願っています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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福田 泰裕

33歳、2児の父。 山口県の高校教師で、担当は数学と情報。 毎日定時ダッシュするために、働き方改革を実施中。 数学教育・情報教育・教師の働き方・教師のEXCEL講座などを記事にしています!