受験数学の勉強法【問題集の使い方】

勉強法

こんにちは。福田泰裕です。

みなさん、高校の数学は得意ですか?

学校のテストはそこそこだけど、模試だと全然点が取れません……

こういう悩みを持っている高校生が多いです。

授業では見たことのないような問題ばかり出題されます。

そうなんです。
数学の模試の問題は、ハッキリ言って授業とかけ離れています。
得点するためには、自分で問題演習をすることが必要なのです。

しかし、また問題が起こります。

問題演習をしても、全然分からない問題ばかりなんです。

数学は、なかなか1人で勉強するのが難しい科目です。
誰かが横に立って教えてくれたら何となく理解できるのに、自分1人で解決するのはとても難しいと思います。

今回はそんな高校生の悩みを解決するために、「受験数学の勉強法【問題集の使い方】」をお話します。

最後まで読んでいただけると嬉しいです!

目次

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受験数学に必要な力は瞬間の判断力

受験数学に求められている力は、瞬間の判断力です。
「瞬間の判断力」については、こちらの記事にも書いています👇

受験数学に対する力をつけるためには、瞬間の判断力を磨く必要があるのです。

数学の問題を解く際に、最も大切なこと

勉強しても数学の点が伸びない人は、このように言います。

公式や定理は覚えたのに、どのタイミングで使ったら良いか分かりません…。

その気持ち、よく分かります。
なぜなら数学の勉強は、公式や定理を覚えただけでは点がまったく伸びません。
その理由は簡単。
公式を覚えてからが本当の勝負だからです。

入試の問題では、

\(a\) を定数とする。
次の2次方程式の解の個数を、判別式を用いて求めよ。
$$x^2 +(a+1)x +4 = 0$$

このような親切な問題は絶対に出ません。

出たとしても、

\(a\) を定数とする。
次の2次方程式の解の個数を求めよ。
$$x^2 +(a+1)x +4 = 0$$

のような問題でしょう。
『判別式を用いて』とわざわざ書いてくれることはあり得ません。

この問題を解くために求められている力は、

「2次方程式の解の個数」\( \Longleftrightarrow \)「判別式」

の関係が分かっているのか、ということです。

では、3つの問題を出します。
この3つの問題の共通点は何でしょう。

放物線 \( y = -x^2 -2a^2 \) と直線 \( y = -3(a-1)x-2 \) が共有点をもたないような定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。

次の2次不等式がすべての実数 \(x\) に対して常に成り立つような定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
$$x^2 -2(a+1)x +7a+15>0$$

放物線 \( y = x^2 -x +a \) のグラフが常に直線 \( y = x+2 \) の上側にあるとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。

分かりましたか?

実はこれらの問題は、すべて解き方が同じ問題です。

どの問題も、判別式を計算して \( D<0 \) となるように定数 \(a\) の値の範囲を求める問題です。

受験数学をに必要な力は、
このように問題文を計算に変換する力です。

そのことに気づけば、あとは計算をして答えを求めるのみです。

判別式の計算はできるのに、いつ使えば良いか分かりません。

このように考えている人は、判別式を使うタイミングを覚える必要があるのです。
そのタイミングを覚えたとき、初めて「判別式が理解できた」と言えるわけです。

つまり、数学の問題を解く際に最も大切なことは、

公式を使うタイミングを覚えること

だと言えるのです。

考えても分からなければ答えを見よう

先生によっては「自分で考えろ!答えをみたらダメだ!」という方もいらっしゃいますが、私はむしろ答えは見て良いと考えています。
というか、答えを読むのが数学の勉強だとも思っています。

正直言うと、まったく手掛かりがつかめない問題を悩んでも、何か思い付くことは絶対にありません。
考える時間がもったいないです。
さっさと答えを見る方が効率の良い勉強法と言えるでしょう。

答えを見て「式ができるまで」を覚えていこう

「答えを見よう」と言っても、答えをすべて暗記していくわけではありません。
答えで最も大切な部分は「式ができるまで」です。

例えば先ほど出した問題。

次の2次不等式がすべての実数 \(x\) に対して常に成り立つような定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
$$x^2 -2(a+1)x +7a+15>0$$

この問題の答えを見てると、このように書いてあります。

\( x^2 -3(a-1)x +2(a^2 -1) = 0\) の判別式を \( D \) とすると,
実数解をもたないので,\( D<0 \) である。

したがって,
\( D= \left\{ -3(a-1) \right\}^2 -4 \cdot 2(a^2 -1)<0\)
    \( 9(a^2 -2a +1) -8a^2 +8 <0\)
         \( a^2 -18a +17 < 0 \)
         \((a-1)(a-17)<0\)
よって,求める \(a\) の値の範囲は,
 \( 1<a<17\)

この問題の、最も大事な部分はどこでしょうか。

それは、最初の2行の部分👇

\( x^2 -3(a-1)x +2(a^2 -1) = 0\) の判別式を \( D \) とすると,
実数解をもたないので,\( D<0 \) である。

です。

この部分が『問題文を計算に変換する力』であり、この力が最も大切なのです。
式をつくることができれば、あとは計算するだけです。

問題集の使い方の例

問題集を見て、『問題文を計算に変換する力』を養うのが最も大切だといいました。
では、実際に勉強するときにどのように進めていけばよいのかお話します。

問題

放物線 \(y = x^2 -4x +5\) と直線 \(y = 2x – a \) の共有点の個数を求めよ。

うーん、直線の式に \(a\) があってグラフがかけない…
どうしたら良いんだ…?

よし、答えを見てみよう。

答え

共有点の個数は,次の2次方程式
  \( x^2 -4x +5 = 2x – a \)
の解の個数と一致する。
 POINT 2次方程式の解の個数は,判別式 \(D\) を計算することで求められる。
式を整理すると, \( x^2 -6x +a+5 = 0\)
判別式を \(D\) とすると,
\( D = (-6)^2 -4 \cdot 1 \cdot (a+5)\)
  \(= -4a -16\)
  \(= -4(a+4)\)
よって,
\begin{cases}
\text{ \(D>0\) つまり \(a>-4\) のとき,2 個} \\
\text{ \(D=0\) つまり \(a=-4\) のとき,1 個 } \\
\text{ \(D<0\) つまり \(a<-4\) のとき,0 個 }
\end{cases}

ダメな問題集の使い方の例

へー、こんな解き方があるんだ!
とりあえず全部ノートに写そう!

この「とりあえず全部写そう」が一番ダメです。

この学習法では、少し数字が変わってしまうと対処できません。
数字までまったく同じ問題が出題されることは絶対にないので、この学習法は今すぐやめるべきです。

正しい問題集の使い方の例

へー、共有点の個数は判別式の計算で分かるんだ!
あとの計算は自分でやってみよう!

このように問題文から式ができるまでを見て、あとは自分で計算するのが正しい問題集の使い方です。

なぜなら、この問題で大切なのは「判別式を使うことに気付くまで」だからです。

あとはただの計算なので、考えるところはありません。
この「式ができるまで」が分かれば、答えを見なくても解けるはずです。

「式ができるまで」のパターンを覚えていこう

入試の日までに、多くの問題を解いていくことになると思います。

そこで、問題集をめくりながら、

「式ができるまで」のパターン

をどんどん覚えていきましょう。

慣れてくると👇

問題

実数 \(x\) ,\(y\) が \( x+3y = 4\) を満たすとき,
\( 2x^2 + xy + y^2 \) の最小値と,そのときの \(x\) ,\(y\) の値を求めよ。

これは \( x = -3y+4 \) を \( 2x^2 + xy + y^2 \) に代入すれば \(y\) の2次関数になるから平方完成すればいいな。

問題

関数 \( y=|x-1|+2|x-2|+1\) の最小値を求めよ。

絶対値記号が2つあるから、
(i) \(x < 1\)
(ii) \(1 \leq x <2\)
(iii) \(2 \leq x\)
の3パターンで場合分けだな。

問題

\( 0^\circ\leq\theta\leq180^\circ\) のとき,\(y=2\sin ^2 \theta – \cos \theta \) の最大値と最小値を求めよ。

これはまず \(\cos \theta\) だけの式にして、
\( t = \cos \theta \) と置けば2次関数になるから平方完成だな。
\(-1 \leq t \leq 1\) の範囲にも気を付けよう。

のように、問題を見ただけで式ができるまでが分かるようになってきます!
これが受験数学を解くために最も大切な力です。

この力こそ、前の記事👇

で述べている「瞬間的に判断する力」なのです。

このように「式ができるまで」のパターンを覚えることで、難しい問題にも対処できるようになっていきます。

まとめ:『問題文を計算に変換する力』を養おう!

いかがでしたでしょうか。

今回は受験数学の勉強法【問題集の使い方】についてお話しました。

この記事をまとめると、次のようになります。

  • 受験数学で最も大切なのは「問題文を計算に変換する力」
  • 答えを見て、「式ができるまで」をしっかり理解して覚える
  • 多くの問題を解き、「式ができるまで」のパターンを覚えていく
  • パターンを覚えることで、難しい問題にも対処できるようになっていく

数学が苦手な方からすると、この感覚は理解しがたいものだと思います。
多くの問題に触れて、少しずつパターンを覚えていくことで、確実に受験数学に対する力は付いてくるはずです。

今回の記事を読んで、1人でも多くの高校生の数学に対する意識が変わってくれると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

質問やご意見、ご感想などがあればコメント欄にお願いします👇

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