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センター試験事件簿その1【1990年~1994年】

こんにちは。福田泰裕です。

センター試験が2020年、31回目の試験をもって終了しました。

センター試験といえば、国公立大学を受けるなら避けては通れない共通試験でした。
センター試験を利用する私立大学も増えてきており、国公立・私立に関係なく、大学進学を考えている高校生の登竜門となっている試験でした。
受験された方々には、あの独特の緊張感は思い出の中に刻まれているはずです。

そして、このセンター試験といえば毎年何かしらの事件が起こり、毎年のように試験後にニュースで報道されてきました。

今回は、センター試験で起きた事件を5年ごとにまとめてみました!

目次

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【1990年 第1回】マークシートに不慣れな受験生たちの混乱!

1979年から続いた『共通一次試験』に代わって『センター試験』が始まり、1990年1月13日に記念すべき第1回が実施されました。
共通一次試験は5教科7科目の受験が義務付けられていましたが、このセンター試験では私立大学の利用を想定して1教科でも受験できるようになりました。

共通一次試験からの大きな変更は、解答方法がマークシートになったことです。当時マークシートに慣れていない受験生は、解答にかなり苦労したといいます。

第1回センター試験の平均点は以下の通りです。

科目1990年
平均点
英語137.62
国語133.10
倫理、政経71.88
日本史73.93
世界史64.54
地理65.86
現代社会60.80
数学Ⅰ73.37
数学Ⅱ64.27
物理74.12
地学66.06
化学67.84
理科Ⅰ51.64
生物62.06

初回なので難易度の調整が難しかったのか、平均が70点を超えた科目が多くあります。

また、共通一次試験までは『受験番号のミスは採点せず、一律0点とする』とされていました。
しかし、「何年も受験のために積み上げてきた努力を、1つのマークミスで0点にするのはあまりにも酷い」という声があったため、センター試験では座席の配置などから試験会場コードと受験番号を推測して手作業で塗り直し、救済するようになりました。
(※この事実が公表されたのは2006年。)

【1991年 第2回】試験中に受験生が死亡!

1991年(平成3年)1月12日午後0時58分ごろ、大学入試センター試験が行われていた千葉県松戸市旭町一丁目の県立松戸馬橋高校の第二十五試験室で、数学Ⅰを受験中の千葉県の公立高校3年生の男子生徒が倒れ、近くの病院に運ばれたが急性心不全で約1時間半後に死亡しました。

1979年(昭和54年)に始まった共通一次試験時代を含め、受験中の生徒が死亡したのはこれが初めてでした。

この年の数学Ⅰの平均点は50.72点。
昨年の平均点と比べて23点も下がっており、あまりにも難しすぎたために体調を崩したのだと思われます。

【1992年 第3回】難易度は上がり続け、平均点が前年より大幅ダウン!

1992年の第3回センター試験は、壮絶なものになりました。まずは、昨年のセンター試験と平均点を比べてみましょう。

科目1991年
平均点
1992年
平均点
英語130.96122.32-8.64
国語127.84122.90-4.94
倫理、政経63.3160.88-2.43
日本史66.2263.97-2.25
世界史72.4571.37-1.08
地理60.5062.74+2.24
現代社会63.6257.86-5.76
数学Ⅰ50.7256.93+6.21
数学Ⅱ67.8148.36-19.45
物理73.1757.48-15.69
地学69.3168.49-0.82
化学64.2561.58-2.67
理科Ⅰ42.7443.17+0.43
生物58.8362.56+3.37

初回から平均点は下がり続けていますが、数学Ⅱと物理の平均点が合計35点も下がっているため、理系の受験生たちの多くは涙を流す結果となったでしょう。

しかし、数学Ⅰの平均点は+6.21となっており、前年よりかなり高くなっています。
やはり、試験中に死亡事件が起きたことが影響しているのでしょうか…。

【1993年 第4回】伝説のコピペを生んだ数学Ⅱ!

さて、ここまで3回のセンター試験を行って難易度を調整してきました。
まだまだ始まったばかりのため、平均点が高すぎたり低すぎたりして安定していません。
特に数学Ⅱは昨年の平均点が48.36点となっており、その是正が必要でした。

そういう流れから難易度を大幅に下げられた第4回センター試験の数学Ⅱは、数年後に掲示板『2ちゃんねんる』で話題となるほど簡単なものでした。

左側が、その1993年の数学Ⅱの問題です。

右側には2012年の数学ⅡBが並べられています。
1993年の問題は大問も2つしかなく、ざっと見ても問題の量は2012年の半分もありません。

もし、現在の医学部を狙う高校生たちが本気で解けば、15分もあれば十分終わりそうです。

しかし、平均点を見てみると…

受験者数平均点
1993年 数学Ⅱ352,755名65.48点
2012年 数学ⅡB349,438名51.16点

65.48点。平年並みです。
受験生のレベルが上がったのか、それとも回数を重ねることで対策が進んだのか分かりませんが、こうしてネタにされているほど難易度が低かったのはよく分かります。

【1994年 第5回】最高難易度となった英語!平均点は…

これまで4回のセンター試験が、難易度を調整しながら行われてきました。
英語の平均点の推移を見てみると、

英語 平均点
1990年137.62点
1991年130.96点
1992年121.32点
1993年106.72点

このように、少しずつ下がってきています。
普通に考えれば、今回は1992年と1993年の間の難易度をねらっていけば丁度良い試験になりそうです。

しかし、実際は違いました。

英語 平均点
1994年96.43点

なんと、なぜか更に難易度をあげて、とうとう平均点が半分を割ってしまいました。実は後にも先にも、英語(筆記)の平均点が半分以下だったのは、この1994年のみです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はセンター試験事件簿その1【1990年~1994年】についてお話ししました。

その2【1995年~1999年】はこちら👇

センター試験事件簿その2【1995年~1999年】
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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福田 泰裕

33歳、2児の父。 山口県の高校教師で、担当は数学と情報。 毎日定時ダッシュするために、働き方改革を実施中。 数学教育・情報教育・教師の働き方・教師のEXCEL講座などを記事にしています!