法令で学校に義務付けられた業務一覧(児童生徒の指導にかかわる業務)

教師の働き方

こんにちは。福田泰裕です。

近年、教師の働き方が問題になっています。
業務内容の多様化により、多くの教師がサービス残業を余儀なくされている現状があります。

そのため、現場では少しでも業務の改善を図り、残業時間を減らそうと努力しています。

しかし、学校には法令で定められていて削減できない業務もあります。
この記事では、法令で義務付けられた業務を紹介します。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

目次

広告

法令で学校に義務付けられた業務等

この記事は、文部科学省が平成29年8月4日に出した「学校における働き方改革特別会議」の資料から作成しました。
資料の全文は、こちらをご覧ください👇

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/siryo/__icsFiles/afieldfile/2017/08/22/1393809_3.pdf

この記事では、上の資料を要約して紹介していきます。

児童生徒の指導にかかわる業務①:授業

授業

根拠:学校教育法、学習指導要領

学校教育法、学習指導要領等に基づいて指導等を行う。

児童生徒の指導にかかわる業務②:授業準備

指導計画の作成

根拠:学習指導要領(総則)

指導目標、指導内容、指導の順序、指導方法、使用教材、指導の時間配当等を定めた具体的な計画を作成する。

特別支援教育に係る「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」の作成

根拠:学校教育法(総則)

障害のある児童生徒に関して、指導についての計画を個別に作成する。(努力義務)
障害のある児童生徒に関して、家庭や医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成する。(努力義務)
特別支援学校は作成が義務付けられており、次期学習指導要領では、小・中学校の特別支援学級や通級による指導を受ける児童生徒は全員作成することになる。

児童生徒の指導にかかわる業務③:成績処理

学校評価、指導要録の作成、送付

根拠:学校教育法施行規則第24条・第28条第1項第4号、学習指導要領、平成22年5月11日付け初等中等教育局長通知(指導要録の様式例等)

観点別(「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」)に評価を実施するとともに、指導要録を作成する。(学校において備えなければならない表簿として規定されている。)
児童等が進学/転学した場合においては、校長は、当該児童等の指導要録の抄本又は写しを、進学先/転学先の校長に送付する。

課程修了、卒業の認定等(卒業証書の授与を含む。)

根拠:学校教育法施行規則第57条・第58条、学校教育法施行令第22条

児童生徒の平素の成績を評価し、各学年の課程の修了、卒業の認定を行う。
小中学校の校長は、毎学年の終了後、速やかに、全課程を修了した者の氏名を教育委員会に通知する。

高校入試関係書類の作成、送付

根拠:学校教育法施行規則第78条

校長(中学校)は、調査書・出願書類等を作成し、生徒が進学しようとする学校の校長に送付する。

児童生徒の指導にかかわる業務④:生徒指導(集団)

給食指導(食物アレルギー児童生徒への対応を含む)

根拠:学校給食法第4条、学習指導要領(特別活動)

児童生徒の心身の健全な発達及び食に関する正しい理解と適切な判断力を養うため、給食指導を実施する。
※「特別活動」の一環として実施。

健康・保健指導

根拠:学校保健安全法第5条

学校において策定する「学校保健計画」に基づき実施する保健指導。
(学校においては策定及びその実施が義務付けられている。)

児童生徒等の健康診断

根拠:学校保健安全法第13条

毎学年定期に児童生徒等の健康診断を実施する。
(学校に義務付けられている。)

安全指導

根拠:学校保健安全法第27条

学校において策定する「学校安全計画」に基づき実施する安全指導。
(学校においては策定及びその実施が義務付けられている。)

事故等により心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等への支援

根拠:学校保健安全法第29条第3項

事故等の発生後の危機管理として、地域の医療機関等と連携し、児童生徒・
教職員・保護者の心身の健康回復のための支援を実施。
(学校においては、必要な支援を行うことが義務付けられている。)

児童生徒の指導にかかわる業務⑤:生徒指導(個別)

生徒指導

根拠:平成18年6月5日付け「児童生徒の規範意識の醸成に向けた生徒指導の充実について(通知)」、平成28年7月29日付け「生徒指導・進路指導の改善等について(通知)」

教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生
徒理解を深め、生徒が自主的に判断、行動し積極的に自己を生かしていくこと
ができるような生徒指導
を実施する。

いじめの防止及び対応等

根拠:いじめ防止対策推進法第8・13・15・16・18・19・22・23・25・28・30条、いじめの防止等のための基本的な方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定(平成29年3月14日最終改定))、いじめの重大事態の調査に関するガイドライン(平成29年3月文部科学省)

学校いじめ防止基本方針を策定し、また、いじめの防止等に関する措置及び
重大事態への対処等を実施する。

不登校児童生徒への支援

根拠:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関す
る基本指針(平成29年3月31日文部科学大臣決定)、平成28年9月14日付け初等中等教育局長通知等

不登校児童生徒について、保護者や関係機関との連携を図り、心理や福祉の
専門家の助言又は援助を図りながら、社会的自立を目指す観点から、個々の児童生徒の実態に応じた情報の提供その他の必要な支援を実施する。

児童生徒の自殺予防

根拠:平成29年6月7日付け「児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)」、自殺対策基本法第17条第3項

長期休業明けの自殺予防として、悩みを抱える児童生徒の早期発見に係る取
組や見守り、家庭における見守りの依頼等を実施する。

学校現場において、①各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いなが
ら生きていくことについての意識の涵養等に資する教育又は啓発、②困難な事
態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のた
めの教育又は啓発、③児童、生徒等の心の健康の保持に係る教育又は啓発を実施する。

通級指導

根拠:平成5年2月22日付け「高等学校の入学者選抜について(通知)」、平成9年11月28日付け「高等学校の入学者選抜の改善について(通知)」

学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導を実施する。

児童生徒の指導にかかわる業務⑥:部活動・クラブ活動

部活動における指導

※義務付けがなされているものではない。
(学習指導要領(中学校・総則)において、生徒の自主的、自発的な参加により行われる活動として規定されている。)

児童生徒の指導にかかわる業務⑦:児童会・生徒会指導

児童会活動、生徒会活動

根拠:学習指導要領(特別活動)

学校の全児童生徒をもって組織する児童会活動、生徒会活動における指導を
実施する。
※「特別活動」の一環として実施。

児童生徒の指導にかかわる業務⑧:学校行事

学校行事

根拠:学習指導要領(特別活動)

儀式的行事、文化的行事、健康安全・体育的行事、遠足・集団宿泊的行事/
旅行・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事における指導を実施する。
※「特別活動」の一環として実施。

児童生徒の指導にかかわる業務⑨:学年・学級経営

学級活動

根拠:学習指導要領(特別活動)

学級活動における指導を実施する。
※「特別活動」の一環として実施。

まとめ:学校に義務付けられていない業務は削減できる

いかがでしたでしょうか。

学校に義務付けられている業務は削減できません。
その在り方や作成方法などを工夫して、効率化していく必要があります。

逆に、義務付けられていない業務はバッサリ削減することが可能です。
上に書かれていない業務は削減しても良いのです。

削減できる業務と削減できない業務を知って、働き方改革を進めていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

質問やご意見、ご感想などがあればコメント欄にお願いします👇

コメント

タイトルとURLをコピーしました