【教師の統計学】偏差値から点数を予想しよう【使える事例2選】

教師の統計学

こんにちは。福田泰裕です。

『偏差値』と聞いて、何を思い浮かべますか?

多くの方にとって、偏差値は「模試の結果で目にするもの」という認識だと思います。
確かに模試を受けると偏差値が返され、その結果で一喜一憂するものです。

しかし、偏差値は模試の結果以外にも活用の場があります。

この記事では、偏差値から点数を予想することができ、それが様々な場面に活用できるお話を紹介します。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

目次

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偏差値は集団のどこに位置するのかを表す指標

まず偏差値とは、集団のどこに位置するのかを表す指標です。

偏差値についての詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください👇

偏差値は、次のように計算します👇

平均点 \(\bar{x}\)、標準偏差 \(s\) のテストで点数が \(x_i\) だったとき、偏差値は

$$\frac{x_i-\bar{x}}{s} \times 10 + 50$$

そして偏差値を計算することで、集団のどこに位置しているのか予想できます👇

graph

この偏差値を使って、点数を予想してみましょう。

偏差値から点数を予想する方法

偏差値から点数を予想する方法は、とても簡単です。
先ほどの偏差値を求める式を変形していけばよいのです。

平均点が \(\bar{x}\)、標準偏差が \(s\) のテストで偏差値が \(D_i\) だったとすると、

\begin{eqnarray}
\frac{x_i-\bar{x}}{s} \times 10 + 50 &=& D_i \\
\frac{x_i-\bar{x}}{s} &=& \frac{D_i – 50}{10} \\
x_i – \bar{x} &=& \frac{(D_i – 50)s}{10} \\
x_i &=& \frac{(D_i – 50)s}{10} + \bar{x}\\
\end{eqnarray}

このようにして、点数を求める事が可能です。

例えば、平均点が \(60\) 点、標準偏差が \(17.35\) 点、偏差値が \(58.1\) のとき、点数 \(x_i\) は…

\begin{eqnarray}
x_i &=& \frac{(58.1 -50)\times 17.35}{10} + 60 \\
&=& 74.05 \\
\end{eqnarray}

となり、74点だったと予想できるのです。

偏差値から点数を予想する事例

test

それでは、この計算を使って点数を予想する例を見ていきましょう。

偏差値から点数を予想する例①:志望校の偏差値から必要な得点を予想する

1つ目の例は、志望校の偏差値から得点を予想する場合です。

模試の結果は197/300点で、偏差値は53.0だった。
志望校の偏差値は58だけど、あと何点取らないといけなかったんだろう?

志望校の偏差値は調べれば分かりますが、実際に何点取ればよかったのかということは分かりません。
しかし、偏差値を計算することで求めることができるのです。

例えば平均点が \(187.5\)/300 点、標準偏差が \(32.5\) 点だとすると、偏差値 \(58\) を取るためには…

\begin{eqnarray}
x_i &=& \frac{(58 -50)\times 32.5}{10} + 187.5 \\
&=& 213.5 \\
\end{eqnarray}

ということで、214点が必要だと分かります。
これにより、

214点が必要だったのか…。
今回は197点だったから、あと17点…。

英語で+10点、国語で+5点、数学で+2点を目標にして、次は英語に力を入れて勉強していこう!

というように、具体的な目標を立てることができるようになります。

偏差値から点数を予想する例②:実際に受けていない試験の点数を予想する

次に、実際に受けていない試験の点数を予想する場合です。

定期試験を欠席した生徒の点数を、見込みで計算しなくちゃ…

ということはよくあります。

そこで、単純に

前回は平均点の120%を取っているから、今回も

$$(平均点) \times 120\%$$

で計算しよう。

としていませんか?

この方法は単純で分かりやすいですが、テストの難易度や散らばり具合などを一切考慮していません

そこで、偏差値を利用する方法をオススメします。
もし同じ偏差値を取ったならば、今回は何点取れたのかを計算で求めます。

計算式は、次の通りです。

$$[見込み点] = \frac{([前回の偏差値] – 50)\times[今回の標準偏差]         }{10} + [今回の平均点]$$

この計算ならば、難易度や散らばり具合の違いも考慮に入れて、見込み点を計算できます

まとめ:偏差値は学校現場で大活躍する指標

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いかがでしたでしょうか。

『偏差値』といえば、模試の結果で見るもの、大学の難易度を表すもの、という認識の方が多いと思います。

しかし今回の記事でご紹介した通り、偏差値から必要な点数を予想したり、実際に受けていない試験の点数を予想したりすることができるのです。
偏差値は、意味を正しく知って使えば学校現場でもっと活躍できるはずの指標です。

平均点だけでなく、偏差値という指標にも目を向けてみませんか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

質問やご意見、ご感想などがあればコメント欄にお願いします👇

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